トレーニングではありとあらゆる動きを、切れ目なく滑らかにつなげていくことがとても大切です。
そこで今回は、全てのトレーニングに隠れている、体や運動の「軸」や「面」という概念について考えていきましょう!
まずは体の中の軸についてですが、ポジションによって少し異なるので、今回は立位でのお話をさせていただきます。
軸に関しては、昔お世話になった、X軸・Y軸・Z軸で構成される3次元の空間を思い出していただけるとよいかと思います。
軸が1本だと線(1次元)、2本で平面(2次元)、3本で立体(3次元)でしたね!
では、体の中に目を向けると、どのような軸が見えてくるでしょうか??
背骨や鎖骨のように軸らしきものがありますが、曲線になっていたり、ちょっと斜めっていたりするので、実際に体の中に存在しているわけではなさそうですね笑
昔習ったX-Y-Zは左下の0を基準に広がっていましたが、体のX-Y-Zは0を体の中心において、全てがそこで交わるように、線を引いてあげましょう。
X-Y-Zのままだと、この後、計算をやらなきゃいけない予感がするので、ここで違う名前に変えておきます👍
Xは右肩と左肩、右骨盤と左骨盤、右足首と左足首のように体の横に向かって結んだ線のことで、これらを前額軸といいます。
そして、Yは後頭部と前頭部、腰とおへそ、踵とつま先のように体の縦に向かって結んだ線のことで、これを矢状軸といい、Zは足裏から垂直に天井方向に伸びる線のことで、これを垂直軸といいます。
さあ、ここからは “軸” から “面” に話しを移します!
軸は前額軸であれば、肩のベクトル、骨盤のベクトル、足首のベクトルと複数ありましたが
それぞれの軸の集合体を前額面、矢状面、水平面といいます。
これらの面の中で様々なトレーニングが展開されていきます!
例を用いてご説明します。
前額面のトレーニング:レッグアブダクション
アブダクションは外側に運ぶ動きを表しています。
まず、軽めのエクササイズバンドを足首につけて、足を外側に動かします。
ポジション保てる範囲で足の最大可動域を作って、元の位置に戻します。
これを10回反復しましょう。
※バンドのテンションが常にかかった状態で行いましょう!
矢状面のトレーニング:フロントレイズ
軽い重さのダンベルを両手持って、足を腰幅にセットします。
左右同時に前方にダンベルを振り上げて、肩の高さまで持ってきたら、元の位置に返します。
これを10回反復しましょう。
※負荷が常にかかったレンジで行いましょう!
水平面のトレーニング:メディシンボールプッシュ
軽い重さのメディシンボールを両手で持って胸の高さに、足を腰幅にセットします。
ボールを胸のラインでプッシュして、肘が伸び切ったら元の位置に返します。
これを10回反復しましょう。
3つに分けてお話ししましたが、これらを1つの面上に沿って頑張ろうとすると、実は中々ハードなトレーニングであることがお分かりいただけたかと思います。2000年代初頭のロボットのような、直線的な動きになったのではないかと…笑
3平面に分けたのはどの面が主体となっているかを明確にするためであり、実際のトレーニングが1つの面だけで成立することはないと思っていただいて大丈夫です。
先ほどご紹介した、レッグアブダクションは棒立ちではバランスを失ってしまうので、反射的に少し足を踏み込んで、体幹が働いた状態になります。つまり、矢状面も必要になります。
また、足を振り上げたときには、股関節に少し外回転の力がかかっているので、水平面の動きも含まれているのです。
ですので、レッグアブダクションは前額面+矢状面+水平面を使った3平面のトレーニングが運動学的にはベストな解答になります(^^)
当店でのトレーニングは、縦・横・深さ・高さ・斜めに様々なツールを使いながら体を動かしていきます。
3次元スペースで不規則に変化を繰り返す多面的な運動を通じて、楽しく体を変えていきましょう!
今日は以上です!