ポジションで変わる筋肉ランキング

体づくりで最も気にかける身体組織・身体器官ランキング1位は、おそらく “筋肉” ではないでしょうか??

ケガを抱えている方は関節が気になったり、呼吸機能が乱れやすい方は肺の状態を観察しながらエクササイズをしたり、

ときに異なる理由で、他の組織・器官を気にかけるケースもあるでしょう!

今回は筋肉をクローズアップして、ポジションとの関連性を見ていけたらと思っております。


筋肉とポジションを考えていく上で、まずは私たちの体が重力と共存していることを強調させていただきます。

フローリングや畳、タイル、アスファルト、芝の上など、様々な面の上で生活していますが、すべての面の母体になっているのが地球です!

その地球の中心に向かって、一定の重力が働いているわけですが、何も力を返さないと面に体がズドンと言ってしまいますので、私たちは重力に拮抗するための床反力という力を返すことで、パワーバランスを取っています。

これらの力は特に意識することなく成り立ってくれますが、私たちがどのようなポジションを選択するかによって、体の中の反応が少しずつ変わってきます。

ということで、今回は主を務める筋肉がポジションによって、どのように変わるかを考えていきましょう。


体の中核となる骨盤の近くにおしりの筋肉と腰の筋肉があります。

例えば、寝た状態でエクササイズバンドを膝上につけて、立膝の状態でおしりをアップダウンする動きをイメージしてみましょう。(バンドありヒップリスト)

この運動はおしりの筋肉をメインターゲットに設計されていますが、特に天井方向にアップするときには、腰の筋肉がかなりの割合で反応してしまいます。

これは、仰向けというポジションで重力に拮抗する形で動かす際に、おしりと腰の筋肉では、比較的腰の筋肉が優位に活動しやすいためです。

仰向けは安定感たっぷりという利点がありつつ、中にはターゲットに効かせるのが難しい、コードな種目も含まれています。

しっかりおしりに効かせたいときには、トレーニング中に何かテコ入れするよりも、トレーニング前に筋肉の内圧を調整する方をおすすめします(^^)/

例えば、以下の記事で紹介している呼吸を使ったペルビックリフトはとても有効ですので、ご興味のある方はご覧ください↓

派手さはないですが、その後のトレーニングでの変化は必見です!

では、今度はポジションを変えて、立位でのおしりと腰の筋肉の関係を見ていきましょう!

仰向けから立位に変わった瞬間に、先ほどヒップのアップダウンで手強い相手だった重力が、体と平行なベクトルになったことで、かなり抵抗が緩和されます。

例えば、スタンスを少し広くして、スクワットをしてみましょう!(できれば、バンドはつけたままで)

立位では、先ほどより腰の反りを誘発するような作用が少なくなったことで、おしりはある程度容易に活動させることができます!


今回は、隣り合わせになっているおしりと腰の筋肉を例に「ポジションと筋肉の関係性」についてお話ししましたが、他の筋肉もポジションに応じてパーセンテージが変わっていきます。重力に応じた反力を返しながら…

このことが頭の片隅にあれば、エクササイズに適した準備をして、狙った筋肉が使えるようになるはずです!

また、今回は仰向けと立位の比較でしたが、実は同じポジションでも右と左で異なる反応が起きていることが多いんです(^^)/

左右差については今後も再三ご紹介させていただきますので、よかったら下記の記事をご覧ください↓

では、今日はこの辺で!

[追記]

上記記事内でエクササイズ(ゴムバンドあり)をご紹介しましたが、トレーニング中に腰がおしりの代わりを主動筋になってしまう方は、腰とともにどこが活動的になっているかを見てあげると良いかもしれません!

私がジムでこのエクササイズを処方した際に、太ももの前の筋肉の感覚を感じる方がいらっしゃいますが、これは腰とともに股関節の伸展動作を行っていることになります。太ももの前の筋肉は、日常的に便利で使いやすいので、エクササイズ中に自動的にこの筋肉を選択しています。太もも前の筋肉を鍛えたい方はこのまま回数とセット数を増やしてもよいかと思いますが、純粋なお尻の筋肉の活動を獲得したい方は、一旦腰や太ももの筋肉のスイッチをオフにすることをお勧めします。これは「抑制」とよばれるもので、体の中に存在している、使いすぎている部分(過活動)に対して、活動を抑えることのことを意味します。

当店で行っている抑制エクササイズはマッサージ、筋膜リリースとは少し異なるアプローチになりますので、ご興味のある方は体験のご予約をお待ちしています(^^)

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