日本には、東京ドーム、ヤフオクドーム、札幌ドームなど、各地にユニークなドーム型の球場がありますが、実は私たちの体の中にもハイスペックのミニチュアドームが存在しているんです!
今日は、体に本拠地を構えるドームの中から3つご紹介していきます!
横隔膜
近年、呼吸に関する書籍が増えてきましたので、横隔膜のイメージがある程度沸いている方もいらっしゃるかと思いますが、まずは解剖のお話からしていきます。
横隔膜は、「心臓や肺」と「胃や肝臓」の間に位置しています。体幹は横隔膜を境界線として、胸部(胸腔)と腹部(腹腔)に分けることができます。
トレーニング中に、「腹圧がかかっている!」と表現することがありますが、これは横隔膜下の腹腔の内圧が高い状態を表しています。
また、腹圧程有名ではありませんが、胸腔でも同じ現象が起きることがあります。
例えば高強度の心肺系トレーニングをしたときには、酸素が足りなくなってくるので、だんだん胸式呼吸になっていくかと思いますが、これは横隔膜の上、すなわち胸腔で内圧が高くなっています。
内圧については、横隔膜周辺のみならず、実は全身に存在しています!
「腹圧は高い方がいい」、「胸圧は低い方がいい」
というように、各スペースに明確な答えがあるわけではありません。
1つのスペースが高い状態(+)にも低い状態(-)にもなれることが大切です。
そしてその場の環境に応じて、他のスペースと会話しながら+と-のバランスが取れることが次のステップになります(^^)
下記記事でストレッチを例に、プラス(伸ばしすぎ)とマイナス(まだ伸びる余地あり)について書いていますので、よかったらご覧ください。
横隔膜はこのように体幹の中間ポジションにあることから、近くの臓器とも持ちつ持たれつの関係を築いています。
その代表が呼吸です。
息を吸ったときには、肺が膨らむので、横隔膜は下降していきます。
そして、息を吐いたときには、肺の空気が抜けていくので、横隔膜は上昇します。
横隔膜は、起きているときにも寝ているときにも、呼吸器系・神経系・循環器系・消化器系などと協力しながら、絶えずアップダウンを繰り返しています。
骨盤底筋群
2つ目は骨盤底筋群です。
骨盤底は繊細な筋肉が連なって重なった3層構造になっています。
ここでは、骨盤低筋群単体ではなく、横隔膜との関係に注目していきましょう。
少し距離はあるものの、向かい合う形で曲線のドーム型が上下に形成されています。
動きもとても類似していまして、息を吸ったら下降、息を吐いたら上昇という風に、呼吸に合わせて動きます。
しかし残念なことに、現代での生活スタイルでは横隔膜と骨盤底筋群の動きが少ない傾向にあります。
この前挙げた記事でもお伝えしましたが、2足歩行、デスクワークは、これら呼吸連動筋の機能低下がどうしても起きてしまいやすいんですね💦
日常的に呼吸が浅いことも機能低下の原因の1つですので、ゆっくりとしたテンポの呼吸エクササイズがおすすめです!
【手順】
1. 腰幅に足を開いて、直立または椅子に座って(体はリラックス)、目線を正面に向けます。
※直利の場合には踵に、椅子に座る場合には座骨がしっかり面に触れるようにしましょう。
2. 鼻からゆっくり息を吸って、口から吐きます。
3. 息を吐き切った後に、息を止めて5秒間ホールドします。
4. これを5回繰り返しましょう。
横隔膜と骨盤底筋群は2つのドームをペアでトレーニングしていけると、体の様々な不調を解消できそうですね!
インナーマッスルと同じ深部筋群なので、姿勢を整える際にも有効です!
足底部
3つ目のドームは足の裏、「足底」です!
アーチという言葉がピッタリな気もしますが、今回はこのままドームを継承していきます笑
足の裏は、左右はっきりとセパレートになっているところが構造上の大きな違いになります。
見た目が違うので、新種のドーム枠に入れても何ら問題なさそうですが…
ドームの面が横隔膜-骨盤底筋群と同じように垂直方向に向いていることを考えると、3つのドームを切り離してしまうのはまだ早い感じがします。
構造上違いがある、そしたら機能上はどうなっているのか??
念のため、見ておきましょう!
例えば、しばらく履いたスニーカーをふと見たときに、どちらか一方の内側がすり減っていれば、足の裏に左右差があるのかな?
と最初に思いますね!
確かに、足は右と左を交互に使っていく(足裏ドームが平たくなったり、膨らんだりする)中で、ドームの高さの違いが顕著に出てくるエリアですね。
では、横隔膜と骨盤底筋群はどうなっているのでしょうか?
実は、片方の足裏ドームで感じた圧力は、すぐさま横隔膜-骨盤底筋群に伝わっていきます。
そして逆もしかりで、呼吸を通じて横隔膜と骨盤底筋群が反応すれば、足裏も圧力の均衡を保つような動きを自然と取っているのです。
3つのドームは垂直方向の主軸として連動しています!
つまり、構造上は違っていても、機能上の共通項はたくさんあります。
スニーカーがどちらかにすり減っている方は、骨盤底筋群と横隔膜も見てあげられるとよさそうですね(^^)
最後の方で少しだけ右と左の話が出ましたが、体の関連性を考えるときには、両サイドひとまとめよりも、左右それぞれの特徴を見てあげましょう。
トレーニングの新しいアイデアが生まれるような気がします!
他にも建設済みのドームが体の中にはありますので、追ってご紹介していきます!
では今日はこの辺で!