今日は感覚器のお話をさせていただきます!
前回までに、視覚→聴覚→前庭覚→体性感覚でバトンをつないできましたので、とうとう歯を語ることができるようになりました笑
さて、5走者目を務める “歯” ですが、
虫歯にならないようにある程度歯を清潔に保てていて、何でも食べられれば、それでオッケーな感じがありますが、QOLを満たして終わり…というのが勿体ないくらいのポテンシャルを持っている感覚器なんです!
発達過程を振り返ってみると何か見えてくるかもしれません。
平均して6歳から子どもの歯からおとなの歯に入れ替わり始めます。
そして、永久歯がある程度生え揃うころには、自分で鏡を見て気づいたり、親御さんから教えてもらったり、また毎年実施されている歯科検診などで、歯並びを意識する機会が出てきます。
これを機に歯の矯正をスタートするご家庭も一定数いるでしょう。
一方、近年小学生に増えている足のトラブルについてはどうでしょうか?
例えば、外反母趾は大人になって、靴が合わなくなってから、病院に駆け込むイメージがあるかと思いますが、実は小学生でも急増しているんです。
これは成長期の足のトラブルとは別で、「足の内側に痛みを感じる」、おとなと同じ症状が出ています。
しかし、「足の矯正」は「歯の矯正」と比べるとあまり認知されていない…
ような気がします。
歯科検診と同じくらい、もしくはもっと多い頻度でシューズ選びに行くのに、そこに目が行くケースは稀ではないでしょうか。
なぜ児童期に、歯がここまでフォーカスされているのか??
この点をもう少し見ていきましょう!
歯は親知らずのない場合で、上下14本ずつのトータル28本生え変わります。
そして、その1つひとつに神経が通っています。
足よりも感覚の入力点が細かいのが構造的な特徴です。
そして何より、脳にとても近い位置にあることが、小さいころから歯の矯正が推奨される大きな理由となっています。
私たちは日常の動きを決定(アウトプット)するときに、その一瞬先にインプットという、動作生成の基になる作業を自然に行っています。
インプットの入る点が多い上に、脳に近い位置にある “歯” は、呼吸や姿勢をはじめとした、様々な動きを作る際の大きな役割を担っているため、できるだけ早い段階からスタートしましょう!という運びになっているのですね!
私はクラスの中で1人だけ歯が逆転しておりまして、小学2年から6年まで歯の矯正をしていました。
最初は、数週間自力で前歯-八重歯ラインを押してみたのですが、ビクともしなかったため歯医者さんに行ったわけですが、今思い返すと矯正して本当によかったなと思います。
父親が外反母趾だったので、「将来こういう形の足になってしまうのか?」という思いがよぎり、下駄を履きながらの生活も覚悟していましたが、そこはワイドな靴を履いて何とか回避することができました。
歯1本だけでやっていけたことはメンタル的にかなり大きかったです。
歯の矯正文化は少しずつ広がってきていますが、もっともっと広がることを願っています。
また、私の領域からも、歯と運動にまつわる情報をたくさんお届けできたらと思っています。